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| 「お見合い結婚」 -はっぴぃ☆らっきぃ☆続編- (4)甘いキス その週、土曜日の昼頃、恵太さんは三重県からようやくご帰還となった。 「お帰りなさい、恵太さん」 心の底からわきあがるヨロコビをかみ締める。 だって、今日は、邪魔者はいないんだもん。 ふたりっきりの週末を、絶対に、過ごすんだからっ!! 「ただいま〜。やっと我が家だ〜。」 うんうん。そうです。恵太さんと私の家。出張ご苦労様でした。くつろいでてくださいね。 「お昼ごはん、つくるね。ちょっと待っててね。」 私が言うと、恵太さんはソファの背もたれから体を起こして、後ろのキッチンの私を見た。 「へえ、未散ちゃんの手料理かぁ。初めてだね。」 初めて会った日からそろそろ4年。お見合い結婚で、結婚してから2ヶ月たつ。それなのに、手料理が初めてっていう夫婦って、なんだろう。 笑いが込み上げる。 「ねえ、恵太さん。」 私は手だけ動かしながら、恐る恐る聞く。 「なに?」 「まさか、もう、次の出張の予定が入ってるんじゃ…。」 もうすぐ11月。秋も終わりに近付いて、冬になろうとしている。 恵太さんは、私の顔をじっと見て、優しい顔をした。 「いや、もう、今年いっぱい、出張は無いよ。」 そうなんだあ!! 「ほんとっ。よかったぁ〜。恵太さん、出張出張で、働きづめでさ、篤子さんたちが痩せたって心配してて……」 「でもね。」 恵太さんの一声に、私の声は止まる。 「これから年末商戦が始まるから、販売店さんとの打ち合わせで、帰るのはちょっと遅くなるよ。」 「そうかぁ……」 ああ、ナスと牛肉の煮物に、みりん入れすぎたっ。 お母さんに教えてもらった、超簡単、調味料はみりんとしょうゆのみってやつなのに。し、失敗したかも…。 それでも、恵太さんは私が出したご飯をすべて平らげてくれた。 「おいしかった〜。」 満足そうな顔で笑ってくれると、隣で座ってる私は、それだけで幸せいっぱいの気分になれた。 「未散ちゃん、料理上手いね。これから毎日食べられるんだよなぁ。」 お世辞でも、これだけ言ってくれると、嬉しいよ〜。 ソファの隣に座っている私に向かって、恵太さんはパッと体の向きを変えると、にこにこしながら、頭を下げる。 「な、なあに、恵太さん。」 「いや、ごめん。ずっと出張ばっかで。これから、毎晩帰ってきます。よろしく。ウザイって思わないでください。」 思わず、恵太さんの言葉に対して、笑みがこぼれる。 「あのー、それから。」 恵太さんはまだ話があるようだ。なんだろう…ちょっと緊張する。 「ひさしぶりなんで、抱きしめてもいいですか。」 「あ。はい。」 きっもちいい〜〜〜〜。 抱きしめられるって、こんなに、きもちいいの〜〜〜!!! ふっと、お互いの唇が自然に近付いてゆく。 と、 家の電話がルルルルルルルと鳴り出した。 あ、と思ったけれど、恵太さんは首を横に振って、私を放してくれなかった。 「無視しとこ。」 恵太さんは囁いて、そのままキスへ。 やっぱり、みりんの入れすぎだったのね。恵太さんの口の中、甘ったるい味がした。 電話が留守番電話に変わった。 発信音の後、大きな声が聞こえてきた。 「未散ちゃん、おんねんやろ。居留守つこたら、あかんで。」 お、伯母さんだ! 「恵太もう帰ってきてんねんやろ? 今から行くから、恵太にちゃんと、例の話、しといてや。」 ええっ ! 今から来るの?? 「あと、3分くらいで着くからね。」 お手上げです。伯母さんたちには。 恵太さんも苦笑いしていた。 「ところで、例の話って何?」 「ん。パートの話。留太さんが会社を興してて、その事務員を募集しているから、私がヒマそうなんで、手伝ったらって言われた。」 「留兄が?」 「あ、来海さんも一緒に仕事してるみたい。」 「え、来海も?」 「うん…。」 「そか。じゃあ、手伝いに行きたいなら行ってもいいよ。」 ええ? でも、出張がなくなったんだし、別にパートに出なくても…。 「身内の人間の会社なら、安心だし。まあ、留兄一人っていうなら、危機感もないことは無いけど。来海がいるなら、未散ちゃんが留兄のターゲットになることは無いだろうからな。」 だから、パートには出たくないんですけどぉ…。 「ひさしぶりだなあ、来海。元気かな。」 恵太さん、そんな優しそうな顔して、そういうこと言っちゃダメでしょ。 いつでも会える場所にいるんですよ。なんたって、仕事場は、ウチのお隣のマンションらしいですから。 「え?近いの? じゃ、オレも挨拶に行くよ。」 なんかちょっとウキウキしてません、恵太さん。 私なんか、偵察という任務を与えられてるんですよ。 ねえ、ちょっと恵太さん。 懐かしがってないで、反対してくださいってば。 |
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